路地裏の声

　あいつら坊主頭は、単に毛を剃ったから灰色の頭皮をしているわけじゃない。毛を剃って、灰色の溶液に頭を浸しているからあの色なんだ。
　信じてくれ。
　信じられないなら、一度冷静に考えてみてくれ。
　黄色人種の皮膚の色が、体の一部とはいえ灰色であるわけがないだろう。
　あいつらは、俺たちを騙そうとしているんだ。自分の頭皮が灰色であることを主張して、何か利益を得ようとしている。今はまだその利益が何かは掴めていないが、きっと邪悪なものに違いない。
　だって、人間の皮膚が灰色なわけないじゃないか。あいつら坊主頭は、絶対、絶対、特殊な溶液で頭を着色している。
　皆、真実に気付いてくれ。すぐにでも手を打たないと、大変なことになるかもしれない。
　頼む、お願いだから…！
　――
　やがて、声のあった場所からは鈍くて重い音がして、