およそ先週

 日中は蒸すように暑く、夜はぱらぱらと雨が降ったり止んだりした、水分だらけの一日。
 そんな夜に商店街を歩いていると、魚屋を見かけた。
 そこでは新鮮な魚類のほかにうなぎの蒲焼が販売されており、蒲焼は屋根もない場所で、ガラスの覆いやサランラップのような覆いもなく、ただただ銀色のトレイに入って陳列されていた。目撃した瞬間には雨が降っていなかったが、数十秒前には雨が降っていた。確実に雨ざらしである。
 シンプルに驚いた。久々に意味のある「え」って言葉が出た。それでまたおばちゃんが平気な顔して買っていくんだから、二重で感情がよじれる。
「えええ」
 どうかしてるんじゃないのか、この町は。
 そんなことを思ったが、一瞬先にはここが地元であることを思い出す。また感情がよじれた。メョョョ。