20090221

彼女の見るsky というコミュニケーション・ツールが好き。製作は、フリーゲーム製作者として有名なアンディー・メンテ
プレイヤーは夜空に浮かぶ星、もしくはその固有の星に住む住民となって願いごとを発信することができる。願いごとは、オンラインで繋がったどこかの誰かの元に届き、どこかの誰かが承諾することによって叶えられる。
一行の願いごと、たったそれだけのコミュニケーション・ツール。
始まりから終わりまで、どこかの誰か。願いごとを発信した人は不明で、叶えた人も不明。どこかの誰か。願いごとを通じてプレイヤーそれぞれが接近することはない。名前を明かしてのチャット広場も用意されているが、利用者はいない。
これはどこにいるだれが?
わからない。
ただ、確実にどこかの誰かとは繋がっているらしい。願いごとが飛んできたり、願いごとが叶えられたりするたび曖昧に感じる。
この曖昧さがいい。曖昧だからこそ、特定できるわけがないのに「またあの人だろうか」と探らされ、特定されてもいないあの人に情が沸いたりする。
さらに繋がりはのろまだ。また、一行の匿名の願いごとでは個人の背景など満足に読み取れず、中身があるように感じなければ中身があるようには感じられない。感じようとしたところで、結局は「願いごと」という遊びの延長。現実的な悩みもどこかフィクション。何が生まれるというわけじゃなく、曖昧な言葉遊びは空をわたっていく。
Windowsの隅、気が向いたときにでも小さく起動しておいて、たまに覗くとどこかの誰かが何かを言っている。時ににやりと笑って、時にうその混じった願いごとを飛ばして、さらにいくつかの願いごとを飛ばして、また別のことをする。
これがいい。


アンディー・メンテ (http://f4.aaa.livedoor.jp/~jiscald/)
ダウンロード先がややこしいので、ちょっと解説。
入り口からゲームのコンテンツに入り、画面下のほうにある2008年〜からさらに進む。いくつかゲームが並んでいるうち「トップガン」か「コロンのハコ」のダウンロードページに飛べば、そこにひっそり置かれている。