探偵もの

 とある場所で事件が起きる。
 偶然居合わせた探偵は、事件に関して、大勢の人の前で自分の考えを披露するが、内容はいまいち的外れ。そんな失敗ショーを、一つの事件だけで何回もくり返す。
 正解に引っかかった推理がようやく出るのは、六回目くらい。その推理の登場によって、犯人はほんのちょっとだけ挙動不審になる。
 犯人の小さな変化について、愚かな探偵は気付かないが、探偵に同行しているアシスタントは目鼻が利く。近くへの直接的な察知能力は高いが想像力のないアシスタントは、探偵自身に先ほどの言葉を反復させるよう誘導し、想像の方向を定めさせる。
 二つの直感が、犯人をじわりじわりと追い詰めてゆく。
 探偵の決めゼリフは「そうか、やっとわかったぞ!」で、発言のタイミングは、正解推理の大詰め。