物語系(続き)

 少年院を抜け出そうとする老人の物語。
 この設定を元に、ちゃんと展開を考えるとするならこういうのはどうだろう。


 いわれのない罪で少年院に入れられた少年がいる。入れられる前も、その後もずっと無罪を主張していたが、誰も信用してくれない。
 ある日の夜、少年の部屋の天井をくり貫いて老人が現れる。頭からつま先まで全身を暗い色の防具で包んだ特殊警察のような出で立ちのその老人は、少年を脱出させてくれると言った。少年は、音も立てずにここまで来た老人に畏怖と、なぜか懐かしさのようなものを感じて脱出の希望をつたえた。
 脱出中になんか色々あるけど頑張って突破していく。
 で、最後、脱出したあとに少年は老人にあなたは誰なのかと尋ねる。老人はヘルメットを外す。それを見た少年は叫ぶ。「お、おじいちゃん!」判決に納得のいかなかった祖父が孫を助けにきたのだ。少年は見た目的な素行は悪かったが、実際いいやつだった。祖父はそれを誰よりも理解していた。
 少年は祖父と抱き合い感謝の言葉を伝えると、祖父の用意した車に乗って自宅へと戻っていく。バックミラーには、爆発と煙ののろしを上げた少年院が映っていた。


 変な設定が増えてしまった。とりあえず、この終わり方だったら爆弾を仕掛けた本人くさい祖父は元より、横でそれを平然な感じに眺めていた少年も同様にいいやつには思えない。たぶんこの後、普通に暴力事件起こしてまた「俺じゃない!」って主張しながら連れて行かれるんだろうな。不要な描写で性格が変わってしまった。
 あと、老人がいまいち主役でなく、「抜け出す」よりも「連れ出す」意味が強くなっているのも何かが違う気がする。テーマ縛りから逃げた感じ。


 …まぁ、そこは読む人が妄想で穴埋めすればいいってことでいいか。めんどい。