そういう瞬間

 赤白二色で包装された郵便局のポケットティッシュ。パソコン本体の上に置いていたのだけど、今日、それが視界に入ったときにふと「なんでこんな場所に生肉があるのだろう」と思ってしまった。
 変な勘違いをしたこともショックだが、そもそもそんな場所に生肉が置いてあるわけがない。置くわけがない。疑問符が出た時点で負けだ。
 しかし言い訳をさせてほしい。このポケットティッシュは、外出時にポケットに入れていたためグシャグシャになっていた。包装がシワだらけになり、中身もわずかに外にはみ出ていた。そういった状態のポケットティッシュの光の質感は、冷静に見ても生肉のそれとかなり酷似したものなのだ。本当に。
 疑うなら是非、郵便局に行ってカウンターにあるポケットティッシュをその場でグシャグシャにして、その場でぼけっと眺めてみてほしい。きっと生肉に見える瞬間があるはずだ。見えるまで退出してはならない。