20090212

マクドナルドの新商品「クォーターパウンダー」を食べた。
見た目以上に肉の感触が強くて美味しい。飛び抜けて美味しいわけではないけれど、ただ豪華になってもマクドナルド独特のジャンク感が残っていて、例のごとく妙に中毒性がありそうな予感。例のごとく、とはマクドナルドを常用する人には通じてくれると思う。
しかし、一つ気になったことが。
パンとハンバーグの間にはケチャップソースがあり、その中には玉ねぎが混じっているのだが、これが何やら微妙だった。味が微妙ということではない。問題はその申しわけ程度の量と2cm強の細長さであり、この中途半端な姿は何やらわびしくて、中年サラリーマンの薄毛頭を彷彿とさせてくる。まさに薄毛頭をかじっているような気分にはならないが、ただ見た目は薄毛頭を彷彿とさせてくる。美味しいんだけど、薄毛頭の中年サラリーマンの全身像が脳の中に滲んで現れる。
どうでもいいこと。
そうだろう。
今のままでも十分美味しい。それに、これ以上玉ねぎが増えれば味の邪魔をするかもしれない。
だが、パンがずれてはみ出たこれはまったくもって薄毛じゃないか。髪の毛としては太すぎるくらいに立派なのに、どう見たって薄毛じゃないか。食事中に気分が悪くなるとかそういう話じゃない。そういった考えはクソハゲに失礼だ。
そういうことじゃない。もっとシンプルなことなんだ。
なんというか……、これが「美味しい」ビジュアルだとは思えないんだ。単に「ガッカリ」で「貧相」な姿に思えるんだ。玉ねぎの量を増やさなくとも、玉ねぎを輪切りかみじん切りのものにするだけで印象は好転するはずだろう。どうして、この結果に落ち着いた。
この主張は丸っきり雰囲気的なものだ。だから、誰にも何も伝ってはいないかもしれない。
それでも、もしかするとマクドナルドを常用する人には伝わっている可能性があるのではないかと、そう信じたい。信じよう。
(編集中の3月下旬現在、Googleで「クォーターパウンダー 薄毛」「クォーターパウンダー クソハゲ」と検索しても似たクレームは見当たらない)


まあ、見た目の印象はどうあれ美味しいんだけども。


注文して数分後、テイクアウト用の袋を持って店員さんがやってきて「こちらクォーターパウンダーと、ですね、シャカシャカと粉のほうも中に入れさせていただいております」と言った。
シャカシャカとは同社の商品シャカシャカチキンのことであり、粉とはそれに付属してくる調味料のことだろう。
でも、だけど「粉」って。たしかに調味料のつくりは粉だけど。
直前のかるい言い詰まりと合わさって、大声で語るには向かない隠語を表しているような感じがした。鼻から吸い込んでみようか、と思ったけど辛口だからやめておくことにした。


漫画とか映画とかの作中、いろいろな娯楽用ドラッグを見かける。よく見かけるのは鼻から吸い込むものや葉巻状のものだが、口から飲み込むタイプのもある。
ああいうのを粉状にしてシャカシャカチキンにシャカシャカ絡めるとどうなるんだろう。たぶんこの考え自体は小学生くらいの知識があれば浮かぶものだろうし、まったく斬新じゃない。だからこそ、世界のどこかに経験者はいるんじゃないか。
シャカシャカチキン一枚に対して必要な粉の量が多すぎて危険かもしれない。ドラッグの世界にも食い合わせの問題があって、シャカシャカチキンでは美味しくトベないかもしれない。
でも世界に一人くらいは……、と思う。
この疑問を受けて自己申告されても「そうですか」と素知らぬふうに返して警察にタレ込むくらいしかできないけど、そう思う。