口調を直すのも面倒なほどにだらけた文章

 ふと思い出したんだけど、正月の番組でうすからモチをちぎり取って食べている映像が流れてたんだ。5〜6人はモチに群がってたかな。
 あれって、モチってものを知らなかったら不気味な光景だよね。
 台座のようなものに白くてぶよぶよしたものが乗っていて、それを複数の人がちぎり取って食べている。夢のある人に、彼らは魂を食べているんだとか言えば、信じてしまいそうな光景だ。
 しかもその白くてぶよぶよしたものは、屈強な男にこねられたりハンマーで叩かれたりして作られたものだ。蒸した米をうすに入れるところから作業を見ていればこれは変わった料理なんだと納得できるかもしれないけど、ある程度モチとしての形が出来上がってきた頃に作業を見始めると、もうこれは確実に魂を作る儀式だとしか思えない。
 老人がモチを喉に詰まらせるのは、体に魂を許容するだけの器がないからだ。だから奥まで入っていかずに、呼吸を止めてしまうことになる。
 緑色のモチは魂が変質したものだ。自分が見ていた番組でのモチは、たしかこれだったはず。
 うすの中央には大きな緑色の宝石がはめ込まれており、うすの表面には派手な複数色の管が浮き立っていた気がする。それは、地の底から何かを吸い取っているかのように脈動していた気がする。食べている人の格好といえば、一様にフード付きの紫色のローブを着ていて、片手には樫から作られた杖を持っていた気がする。モチをちぎり取る瞬間、その手の先が青色に光っていた気がする。すこし宙を浮いていた気がする。誰かが「メラ!」と叫んでいた気がする。誰かが「リフレク!」と叫んでいた気がする。彼らの声は、耳からではなく脳に直接響くように聞こえていた気がする。
 よく見ると、緑色のモチはグリーンスライムではなかったか。ぶよぶよしたグリースライムに群がり、それをちぎり食う人の群れ。なんて気味悪い光景。気味悪い光景。ぶよぶよ、ぶよぶよ。
 …。
 脱線したけど、とにかく小分けしていないモチを直に食べるだとか、モチを小分けしている作業だとかというのは、なんか見た目が気味悪い感じにメルヘンだよねってこと。なんか、でかいモチって単純に気味悪い。食品っぽくない。
 そういう感想を書きたかった。